ジロ子屋です。
中学3年生の受験生のみなさん、9月の実力テストはいかがでしたでしょうか?
1学期の実力テストから成績は伸びたでしょうか。かわらなかったでしょうか。2学期は大阪はあと1回、奈良はあと2回残っています。夏休みの特訓が成果としてあらわれるのが2学期の実力テストです。
一喜一憂しないで動じずいよう、と言いたいところですが、2学期の実力テストで勝負がついてしまう事柄があります。それは私立高校の合否です。
「テストは来年2月ですよね?」
そのとおりです。しかし実際には12月に中学校と高校の合同会議があり、そこで生徒の合格先が決まります。高校と塾の口約束もあります。塾から頼む時は、中学校と高校の合同会議の前に決める必要があり、高校の先生に頼んでおけば中学の先生に取り成してくれます。
しかし全部の私立高校が合格を決めるわけではありません。人気のある学校では「当日のテスト」で判断します、というところもあります。偏差値上位の高校では優秀な生徒を取り合うため塾に頻繁に営業に来ます。
私立高校が決まれば公立高校もほぼ決まります。例えば、関西大倉の特進Sが受かれば茨木高校に受かる、近大附属のSuper文理に受かれば奈良高校に受かるなどの基準がありますが、毎年受験を経験して感じることですが、逆もあるのだと思います。
茨木高校に受かる受験生は関西大倉の特進Sの合格を勝ち取った子、奈良高校に受かる受験生は近大附属のSuper文理の合格を勝ち取った子。つまり私立の高校に合格してないと公立の合格はありえない、ということです。
去年、ジロ子屋は開業してなかったのですが、3人の受験生を預かりました。郡山1人、一条2人合格でした。一条高校に合格したうちの一人は郡山高校と悩んだ末、一条高校に行くことになりました。それはこんな出来事があったからです。
彼はクラブチームに入っていましたが、指導者のいじめに遭い辞めることになりました。それ以降は勉強を頑張るとのことで奈良公立御三家を目指していました。最終的に内申は117。9-11月の学力テストが平均400点。ちなみに年明けに挑んだ公立高校過去問(5年分)では平均220-230点取っています。スポーツに打ち込んでいた時は勉強の遅れがありましたが、勉強を心に決めてからはものすごい追い込みで成績を伸ばしていきました。
内申点+入試点の予想は337-347点で、理論上は奈良公立御三家どこでも合格できるはずです。
しかし、しかしです!
2月に入り私立の受験が始まりました。結果は奈良育英選抜は合格もすみれをもらえず、近大附属は普通科合格でした。彼は過去問では奈良育英はすみれをもらえる点数を取っており、近大附属もSuper文理を合格する点数を取っていました。
私立の合格発表を受けて学校で懇談がおこなわれました。12月の学校との懇談では「学力が伸びれば、奈良御三家のどこか。学力が伸びなければ一条」と伝えていました。学力が伸びたので奈良公立御三家を受験できるかどうか相談しようと思っていましたが、そこで信じられないことが起こりました。学校の先生が一条高校の願書をもって懇談に現れたのです! まるで一条高校に行かせることが前提になってるようでした。突然の出来事に彼は頭が真っ白になり先生の言うがまま一条高校を受験することになりました。
これら一連の話を聞いた時に、私は思いました。
「学校側は彼を一条高校に受験ありきで全てを進めてきたのではないか?」
もう少し時間を遡ってお話を進めます。彼は2年の内申は41でした。しかしクラブチームでいじめに遭い心のバランスを崩してしまい3年の1学期の内申が37でした。その後、気を取り直して頑張ってきました。
11月の学力テストが終わった段階での成績です。
学力テスト平均 400点
内申 117
五木模試 郡山高校C判定、一条高校A判定
これだけを見ると、郡山高校はボーダーライン、一条高校は合格確定となります。ただ、9-11月の学力テストは380点→400点→420点と尻上がりに上がっていました。明らかに実力が伸びていて奈良御三家に届くだろう、という可能性を感じさせる内容でした。
ただ、ただ! です。
ここからは私の推察です。(事実ではありません)
2学期の懇談の時に一番にビックリしたのが内申でした。39。点数も同じで提出物評価、小テストなど差がなく定期テストの点数が同じ子は5をもらってて、彼は4がついていました。それも一つや二つではなくたくさん。学校側が意図的に内申を落としてきたのではないか? と思えるような内容でした。
この年は郡山高校が事前調査で競争倍率が2倍を超える異常事態でした。それを知った教育関係者が郡山高校希望者を振るい落としたんじゃないかと思っています。彼の内申予想は120以上の予定でした。ただ内申120、学力テスト平均400点は郡山高校合格ラインギリギリのボーダーラインです。郡山高校を諦めさせるために低い内申をつけたのではないだろうか。そう思わせるぐらい低い内申をつけられました。現に彼の中学では、郡山高校希望者は軒並み違う高校へすすめられたようです。
私立高校が学力どおりに合格できなかったのも不可解です。12月の合同会議で彼が一条高校ありきですすめられてきたのなら全て辻褄があいます。奈良育英すみれ合格、近大附属もSuper文理合格なら奈良公立御三家受験となります。12月に一条高校と査定された子がランクを上げて奈良公立御三家を受けにくると、代わりに落ちる子が出てくる。
あくまで推察ですが、毎年このように2学期の学力テストで全てが決まっている、と感じることがあります。学校の先生の手のひらの上で操られているのです。だから学校の先生が「そこはむずかしい」と言ったなら、そこはほぼ落ちます。生徒の点数の伸びはみてません。12月の合同会議の結果だけを踏まえて決まっていきます。
もちろん正当な評価で高校合格を勝ち取った子がほとんどです。しかし何故この子がここに受かったんだ? 合格最低点ギリギリを-10点も下回った合格者がいてる、合格最低点ギリギリを10点上回っていた(自己採点)のに落ちていたとか。この手の話は本当に多いです。
大げさではなく2学期の実力テストで進路が決まるといっても過言ではありません。クラブ活動が夏の途中で終わり、そこから勉強を始める子も多いでしょう。そういった子にとって2学期の実力で査定されてしまう高校受験は不利なので気をつけてください。
最後になりましたが、五木の模試の話も。
私立高校側から11月の五木模試を基準に合格を確定してくれるところがあります。進研模試も少なからずあります。ですので11月は模試を受けることをお勧めします。あくまで11月の模試のみです。9月、10月、12月は参考にしてくれません。11月模試が飛び抜けて良い成績だったなら思っている以上の私立高校に合格することも可能となります。
個別指導塾時代、内申も実力テストも希望の私立高校の規定に届いてない生徒がいました。しかし11月五木テストの国数英で偏差値○○以上なら合格確約という条項があり、その生徒さんがギリギリ超えていることがわかりました。早速高校の先生と話をさせて頂き、口約束で合格の確約を頂きました。お母様との懇談では「学校からは受からない」と言われたそうですが、私は秘密を守ってもらう、ということで本当のことをお話ししました。お母さまも不安だったと思いますが信じてもらえ希望校に見事合格しました。
受験は2月3月が勝負! と思っていてはいけません。もっと早い段階から仕込むことが必要です。ジロ子屋は受験を情報戦だと考えています。情報を制したものが受験を勝つことができる。
例えば、龍谷大学短期大学から龍谷大学に編入できることを知っておられますか? しかもテストはなく授業を受けて単位さえ取れば編入できます。ですので、短大に受かっていれば龍谷大学卒になることができます。
一条高校へ進んだ彼は郡山高校の合格は難しくても奈良校は受かる可能性があったのをご存知ですか? 奈良高校だけでなく大阪の北野高校などもそうですが、大手塾のお馬さんが内申が足りてない生徒を大量に受験させてきます。なので内申ではなく当日点が高い子を合格させる傾向がみられます。
そういったことを踏まえて、ジロ子屋は受験戦略を練り、みなさんを合格させるよう努力してきました。
これからも受験は情報戦! という意識で戦っていきます。