ジロ子屋です。
今回は内申点のことをお話をさせていただきます。
ほとんどの方は通知表をもらった時にそう思われるのではないでしょうか?
なぜこのように感じてしまうのでしょうか?
それは先生の主観が入るからです。
内申点の評価基準は、文部科学省による「新学習指導要領」によって評価基準が決められています。
ですので内申のつけ方は決まっています。
しかし先生の判断で評価基準がかわります。
それはなぜか?
評価基準が各先生の解釈によって判断ラインが変わるからです。
たとえば、学習を頑張っている、という評価に対して、先生ごとに評価がかわります。
先生A 生徒Aさんは授業中によく発言しているからA評価
先生B 生徒Aさんは授業中によく発言しているが先生の印象に残っておらずB評価
先生A 生徒Aさんはノートが綺麗に整理されているのでA評価。生徒Bさんは、いっぱいものを書いているし授業中のポイントをメモしているが字が汚いのでB評価
先生B 生徒Aさんはノートが綺麗に整理されているが、内容がスカスカなのでB評価。生徒Bさんは、字が汚いがいっぱいものを書いているし授業中のポイントをメモしているのでA評価
同じ生徒で同じ行動をしていても先生から見えてる頑張りは先生ごとにかわります。
私は教育関係の教材を作っている立場上、現場の教師の先生とお話しすることが多々あります。
お話をしている時に感じるのは、皆さん口を揃えて、「公平に内申をつけている」と言います。
しかし第三者の私からみれば、やはり主観が入っていると感じてしまいます。
決して悪意があるわけではありませんが。
ではどうすれば内申点を上げることができるのか?
結果から言いますと、先生に気に入られること、先生に頑張っていると思わせることです。
そんなこと、うちの子には無理です。
と思われた方も多いのではないでしょうか?
諦めるには早いと思います。
内申をつける評価対象は、学校ごとで変わりますし、また教科ごとで変わりますが、
だいたい以下のポイントになります。
・テストの点数(小テスト含む)
・授業態度
・提出物
・忘れ物
保護者の方から様子がわからないのは、授業態度と提出物、忘れ物ではないでしょうか?
もらった通知表が思ったより低かったので先生に確認したら、忘れ物が多かったので減点が多かった、なんてことはよくある話です。
副教科は上記の評価以外に「技能」が入ってきます。
これが評価の大きなウェイトをしめます。
個別指導塾時代の生徒とこんな出来事がありました。
(個別指導塾では副教科は扱いませんが、私は受験で大事になるので、副教科にも力を入れて取り組んでいました)
どうしても絵心がなく自分でも絵を描くことが得意でないことを自覚している生徒でした。
1年の時に「3」であることをお母様からご相談を受け、2年から内申を上げるために取り組みました。
結果から言いますと、1年「3」、2年「5」、3年「4」でした。
まず最初に取り組んだことは、1年の内申が「3」であった原因を美術の先生に聞きに行きました。
これは皆さんも必ず実践してください。
先生に聞くなんてモンスターペアレントに思われるのでは? とためらわれる方も多いですが心配いりません。
なぜなら同じ質問をしている保護者の方は多いのです。
先生はそういった電話に慣れています。
問い合わせが多いので、先生方も理論武装をしています。
保護者様に納得してもらえる返答を用意して待っています。
そして聞きに行くと不思議な現象が起こります。
わざわざ聞きにきたので、減点項目は改善されている、という思い込みが先生に生まれます。
生徒ができてなくて減点になった項目が前と同じ行動をしているにもかかわらず取り組んでいると見なされ「できている」と判断されます。
逆に聞きに行くことによりマイナスポイントになることはほとんどありません。
しかしないとは言い切れませんので慎重に判断してください。
皆さんの中で内申が低い、納得できない、というところがあれば遠慮せずに先生に聞いてみてください。
それだけで改善されることが結構あります。
生徒の中学校では美術のテストは50点満点です。
45点以上とれば「5」がつくことが多くなります。
ですのでテストは45点以上取れるように徹底的に対策して取り組みました。
また美術の授業コマ数は少ないため忘れ物をすると大きな減点になります。
そのためお母様に協力してもらい、忘れ物がないかチェックを徹底していただきました。
子どもは学校での様子を隠したりするので、お母様から学校の先生に忘れ物がないか電話で確認もしていただきました。
授業中に手を上げるのは苦手だったそうで、こればかりはどうしようもありませんでした。
そして一番のポイントは「先生に質問をしに行く」ことでした。
例えばグラデーションの作成。
どうしても上手に描けなかったのですが先生と練習することにより先生の評価が変わります。
練習して「できる」ことも大事ですが、それ以上に「Aさんはこれ以上上手に描くことができないが、Aさんはグラデーションを理解して描いてる」と評価され、テストでは正解をもらえました。
ですので、先生に質問しに行くことは「できていなく」ても「できている」という評価に変えることができます。
そして親心も加わるのでしょうか。
「先生! 先生!」と生徒に近づいてもらうことは嬉しいものです。
ついつい評価が甘くなる。
大人の社会でもあることです。
そうした取り組みの努力を認めてくる先生により2年生は「5」を取れました。
しかし問題は3年生の「4」。
こういうこともあるのだと認識しておいてください。
3年生の美術の先生がかわりテストの点を45点以上取っても提出物を完璧にこなしても「5」を取れませんでした。
同じ点数の他の子は「5」をもらっています。
先生に何度も質問しに行きもしました。
先生は「絵が上手い下手ではない。先生の言ってるポイントを押さえて描いていればできていると判断します」と言ってたそうです。
でも内申は「4」。
1学期のテストが終わり先生に理由を聞きに言ったところ、こういわれたそうです。
「絵が下手」
こういった努力を認めてくれない先生もいます。
(もちろん努力を認めてくれる先生もいます)
話は変わりますが、別の生徒でこんな話もありました。
同じく美術で1年「4」、2年が1学期「3」、2学期「3」でした。
生徒に聞くと先生とはすごく仲が良く、生徒自身も先生が大好きでした。
仲がいいので「3」をつけた理由を聞けない。
でも思い切って聞いてみることを提案し、生徒も意を決して聞いてくれました。
偏差値72の高校を目指してるから「3」か「4」をつけられるとつらい。
私は先生が好きだけど実は先生は私が嫌い?
そういったところを話したそうです。
そして3学期のテストが終わって学年の評価が出ました。
なんと「5」がついていました。
理由は「絵をふざけて描いてると思った。いくら仲よくてもそれはないやろ」と思ってたそうです。
しかし生徒はふざけてなんかなく真剣に描いているということがわかり評価がかわったそうです。
ここまで話をしてお分かりになったと思いますが、内申は先生の主観でかわります。
先生と話をすることで主観がかわることがあります。
是非、先生に質問しに行ってください。
内申が低い原因を聞きに行ってください。
ジロ子屋は何年も何年も正当な評価がつかない内申の原因を突き止めてきました。
それに対して対策を講じることにより改善されることを経験してきました。
他にもここでは書ききれない沢山の事例、沢山の原因、沢山の解決方法があります。
内申をアップさせることは受験で大事なことです。
内申が足りないから志望校に届かない、なんて悔しいことは絶対に避けたいと思っています。
大阪では入試7:内申3で内申を重視しない受験校もありますが、ほとんどの受験校では内申が重要になってきます。
皆さんも悔いがないように先生との関係作りを真剣に考えてみてください。
それは生きる力にもつながるのですから。